黒木華 ベルリン 最優秀女優賞
左幸子[1964(昭和39)年]、田中絹代[1975(昭和50)年]、寺島しのぶ[2010(平成22)年]、に続いて4人目となるのか...。
それは、2月15日土曜日(日本時間2月16日日曜日)に開催の、世界三大映画祭の一つ、第64回ベルリン国際映画祭コンペティション部門の授賞式にて、山田洋次監督の映画『小さいおうち』に出演した黒木華(くろきはる)が最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞のニュース。
山田洋次監督作品がコンペで主要賞を受賞するのは、5回目の挑戦で初めてのこと。
内容は、中島京子の直木賞受賞作の原作を軸に、昭和初期から終戦にかけて東京の中産階級の平井家に奉公した女中・布宮タキが見た日常と、奥方の平井時子(松たか子)の道ならぬ恋を描いた物語。
黒木華演じるタキは、14歳で時子の家に奉公に上がり、優しい時子に仕えることに喜びを覚え、平井家に骨を埋めるつもりで奉公に励む有能な女中。
中でも、戦争による食糧規制を物ともせず、平井家の食卓を彩る姿が素晴らしかった。
聞くところでは、"クラシックな顔立ち"が決め手となって、起用されたとか...。
そのこともあってか、山田洋次監督はじめ制作スタッフと他の出演者への感謝の気持ちにあふれている黒木華は、まさに感慨深げで...。
黒木華といえば、2012(平成24)年10月より放送のNHK朝ドラ『純と愛』で、大阪の大手シティホテル・オオサキプラザホテル従業員で、ヒロイン・狩野純(夏菜)の同期でフロント係・田辺千香を演じていた頃を、つい思い出して...。
普段はおとなしく気が弱い性格の反面、嫉妬深い性格でもあり、思いを寄せる相手がほかの女性に興味を示すなり敵対心を見せ、時に陰険な嫌がらせ、特に怒ると豹変し関西弁でドスを利かせる役どころだった。
ただ、女優・黒木華を初めて観ることとなったのは、たしかに『純と愛』であっても、
やはり、つい気になってしまったそもそものきっかけが、声優初挑戦となる2012(平成24)年7月より公開のアニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』で演じた雪の声の印象ゆえの反動の大きさからなんだろうなあ。
雪とは、花(声・宮﨑あおい)と彼こと"おおかみおとこ"(声・大沢たかお)との間に生まれた"おおかみこども"で、雪の日に生まれたことからが命名の由来。
お転婆で活発な性格だったものの、小学校生活を通して自分のような女子がいないことを知り、淑やかに振る舞うようになったり、雨の日生まれが命名の由来で狼の本能に目覚めた弟・雨と争ってしまう、それぞれの切なさが忘れられなかった。
次に、あの『純と愛』が放送終了して間もない昨年2013(平成25)年4月より公開の映画『舟を編む』で演じた、玄武書房辞書編集部員・岸辺みどり。
女性ファッション誌から配属されてきた、入社3年目の女性編集者で、当初は馬締光也(松田龍平)の独特のキャラクターに圧倒されるものの、関わってゆく過程で次第に辞書作りへの情熱を持ち始めるようになる役どころ。
演技力は評価され、キネマ旬報ベストテンや日本アカデミー賞など、日本の主要映画賞で計5つの新人賞を受賞。
ここまでの原動力は何か?
改めて振り返ってみると、お恥ずかしながら、知ることとなったのは、つい数ヶ月前。
京都造形芸術大学で林海象、東陽一らに師事して演技を学び、大学在学中の2009(平成21)年に野田秀樹の演劇ワークショップに参加し、オーディション合格後、NODA・MAPの公演『ザ・キャラクター』にアンサンブルとしての出演が、女優デビューであることを。
他には、
長塚圭史主宰の阿佐ヶ谷スパイダースの2011(平成23)年7月から8月までの舞台『荒野に立つ』、蜷川幸雄演出の同年10月下旬から12月上旬までの舞台『あゝ荒野』、ゴーチ・ブラザーズの2013(平成25)年1月下旬の舞台『飛龍伝』の主演・神林美智子役。
着実に段階を積み重ねているんだなあ。
そして、3月31日月曜日より放送開始のNHK朝ドラ『花子とアン』。
演じるは、村岡花子ことヒロイン・安東はな(吉高由里子)の2歳年下の妹・安東かよ。
小学校卒業後、苦しい家計を支えるため、製糸工場へ住み込みで働くものの、苦しさから脱走。
女学校進学と卒業後の出版社勤務の花子への憧れから上京して、カフェ女給として働きながら、花子と同居。
やがて、悲恋などの紆余曲折を経て、職業婦人として逞しく生きてゆくとのことだけど...。
ヒロイン・はなとは姉妹であると同時に、同士であり、ともに良き片腕となる存在感から、注目されるかのような予感が...。
今年2014(平成26)年の黒木華は、あらゆる意味において注目される楽しみが...。
そして、かねてからの評価の高まりつつある"蒼井優に近い存在感"を、ますます醸し出してゆくことになるのかもしれない。
2014-02-17 |
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