東野圭吾 新刊 夢幻花
4月18日木曜日に発売、と知るなり、すぐに購入。
『夢幻花』(東野圭吾・PHP研究所)
あの『麒麟の翼』を彷彿とさせる物語の展開みたいだ。
しかし、内容が重厚で深いから、読み応えあるんだよなあ。
発端は、
温厚で研究熱心な祖父の殺害と残された子どもの姿、
朝顔市で出逢った少年と少女、
この二つの展開から始まった。
それらを念頭に置いた上で読み進めれば、すべての人たちが交差する点の明らかになってゆく展開の面白さ。
登場人物は、
祖父殺害の原因を一番に気に掛ける、大学生・秋山梨乃。
梨乃を気に掛ける一方で、梨乃の祖父の殺害事件の真相を解明すべく一心不乱に身を投じる"兄"も気に掛ける、大学院生・蒲生創太。
梨乃の祖父の殺害事件の捜査そのものと警察上層部、それぞれにて不穏の動きをすることとなる、早瀬刑事。
それぞれの抱える謎に、
「黄色いアサガオだけは追いかけるな...」
という意味深な言葉。
そして、3人の主要人物それぞれに、自分自身の目標と人生、親子やきょうだいの関係を背景にした、人間ドラマの展開。
結末としては、
事件の被害者と犯人という立場での、それぞれの抱える悲しみが際立つことになるけど、それぞれの登場人物の将来に、わずかながらの希望の光の差し込むかのような気持ちに...。
聞くところによりますと、
「江戸時代には黄色い花の朝顔は存在していたのに、なぜ現代には存在しないのか」
という着想からによる執筆とのこと。
さすがに、奥行きの深い物語の展開でした。
2013-04-24 |
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