コウノドリ 漫画 1 2 3
やはり、ついつい気になってしまうんだろうなあ。
1年という歳月が過ぎる度に、子育てを始める友人知人が少しずつ増えていって、いわゆる"イクメン"という言葉を耳にして久しいことが大きいからかもしれない。
ましてや、「男は外、女は内」といった考え方自体、時代錯誤であるならば、なおさらのこと。
先日、いつものように書店へ寄り道、何気に目にした漫画『コウノドリ』(モーニングKC)が、ついつい気になってしまって、現時点の第3巻まで衝動買い。
それは、講談社の週刊漫画雑誌『モーニング』にての連載。
友人に聞いたところでは、2012(平成24)年7月より短期掲載したところ、「知らなかった」「もっと読みたい」など反響の大きさ、今年2014(平成26)年2月から定期連載になったという。
物語としては、ジャズピアニストで産科医の鴻鳥サクラという異色の主人公の目にすることとなる、難しいお産に直面したそれぞれの男女が悩みながら答えを見いだす過程と、その光と影の現実が丹念に描かれていて...。
例を挙げるならば、妊産婦死亡や死産、夫の暴力に耐える妊婦など。
小さな命をめぐるドラマは、あらゆる意味において、まさに心を打つもの。
後に知るところ、著者の鈴ノ木ユウ氏が複数の医師に取材し、男性向けの週刊漫画雑誌にて、医師が実際に向き合っている現実、特に"お産"を丹念に描き出ししてゆくこととなったきっかけは、里帰り出産した妻を担当した産科医・荻田和秀氏との出会いにあったとのこと。
特に、腕利きのジャズピアノ奏者でもある荻田氏のユニークな肩書に着想を得たという。
かの荻田氏は、年に1,000件のお産を扱う大阪府泉佐野市の「りんくう総合医療センター」の産婦人科部長。現実に重症例の受け入れも多く、他にも、胎児を慈しむ親、宿った命に無関心な親、産科医が触れる"命の価値観"はさまざまで。
子は親を選べないからこそ、荻田氏自身「産科医はおなかの赤ちゃんの代理人」との意識が強く、お産の現場で垣間見える社会の縮図において産科医は何ができるのか、という葛藤とともに向き合う日々。
現実に国内では、出産時に年間約50人の母親が死亡、子もその前後に約4,000人が亡くなる一方で、水際で救われている命も多いという。
いずれにせよ、物語は荻田氏の日常に重なっていて、鈴ノ木氏と共有する願いは、
「出産は二つの命をかけた闘い。お産への関心と妊婦をいたわる気持ちが読者に芽生えてくれたら」。
そして、物語の中で、サクラが訴えかける言葉、決して忘れない。
「出産は病気じゃないから皆、安全だと思い込んでいるけど、ボクらは毎日、奇跡のすぐそばにいる」
余談ながら、このような物語を単発または連続のドラマ化あるいは映画化することが、理想的なのでは、とついつい思ってしまった。
当然、丹念で綿密な取材を前提として。
その漫画や小説による原作に押される一方では、映画やドラマでのオリジナル脚本を手掛けられる脚本家が育成しづらいという問題も、相変わらず尾を引くことになってしまうから、複雑な心境。
2014-02-16 |
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