マッサン あらすじ ネタバレ 第20週
「夏は日向を行け、冬は日陰を行け」
2月16日月曜日より放送。
時は流れて1942(昭和17)年...。
あの海軍士官からのウィスキー買い取り依頼あって、窮地を脱してから間もなく、日本とアメリカ・イギリスの開戦、さらに半年が過ぎて...。
政春(玉山鉄二)の「ドウカウィスキー」が、海軍の指定工場として操業されてから久しく、経営や従業員の生活の安定は最低限保障されており...。
しかし、当の海軍はウィスキーの品質に無関心の上に、物量の多さを要求してばかり。
政春には、憤懣やるかたない日々の繰り返しだった。
一方、エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)は、敵国人と思い込んだ近所の子どもたちから投石された。
エマ(優希美青)も、敵国出身であることを理由に、イジメに遭うことになってしまい...。
言いたいことはしっかりと相手に言うようにと、エリーから育てられたエマは、自分をイジメる相手には黙っていなくて...。
やがて、ドウカウィスキーに、海軍からのウィスキー増産命令が下され、対応に備えて政春は、新たに工員の募集を開始した。
その募集の面接に訪れる人たちのうち、夕張からはるばると訪ねてきた一組の母と娘、すなわち戦争未亡人の中村美紀(堀内敬子)と秀子(黒島結菜)も、採用されることに...。
秀子は工場勤務となり、エリーやエマとすぐに打ち解けるようになった。
しかし、厨房で賄いの手伝いをすることとなった美紀は、エリーに打ち解けることのできないままだった。
数日が過ぎて、大阪からキャサリン(濱田マリ)が、エリーを訪ねてきた。
戦局の厳しさを重く見て日本を出国し、夫の祖国・イギリスへ渡る決意を固めたことで、エリーも誘うために立ち寄ったという。
加えて、エリーとエマへの嫌がらせを耳にしたことも、心配するキャサリンに拍車をかけることになって、政春とエリーに訴えた。
エリーの身の安全を確保するためには、形式上離婚してでも、直ちにエリーを祖国スコットランドへ帰すべきではないか、と。
キャサリンの言葉に動揺する政春に追い討ちをかけるように、俊夫(八嶋智人)もエリーの帰国に賛成することに。
端から話を耳にすることになったエマも動揺していた。
母・エリーを帰国させるべきか否か、秀子に相談したところ、エリーは敵に見えないから大丈夫と、逆に励まされて安堵することに。
しかし、その頃にはすでに、特高(特別高等警察)が工場周辺を偵察し始めていた。
その不穏な空気を敏感に察したハナ(小池栄子)は、政春に強く迫った。
愛を言い訳にしてエリーを帰国させず危険に晒すのは本当の愛ではない、と。
追い詰められた政春は、苦悩の末に、エリーと離婚しイギリスへ帰国させることを決意した。
しかし、その直後に特高が突然、政春とエリーの家の強制捜査に...。
エリーへのスパイ容疑が理由だった。
物証を見つけ出そうと、部屋の中を荒らし回る特高の傍若無人な振る舞いに、エリーは激しく抵抗。
特高がすぐさま公務執行妨害としてエリーを連行しようとするところを、政春と熊虎(風間杜夫)が必死の抵抗。 それでも特高の勢いは変わらなかった。
無情にもエリーが確実に連行されそうになった時のことだった。
政春をよく知る海軍士官が現われたことで、特高に退去を命令。 騒ぎは収まることに。
この一件を機に、政春は考えを改めた。
エリーと離婚しスコットランドへ帰国させるとした宣言を撤回、エリーとともに日本で暮らし続けてゆく決意を固めたことを、身内と工場の従業員に報告。
その報告に何か心を動かされたからか、美紀は言いようのない後ろめたさを抱えながら、政春の前に出向いて、これまでのことを告白した。
夫がイギリス軍との戦闘で亡くなっており、その恨みからエリーを特高に密告したことを...。
誰もが、やりきれない気持ちを残したまま...。
政春とエリーとエマは、思いやって引き留めようとした。
しかし、申し訳なさの強く残る母・美紀と娘・秀子は、工場を去り夕張へ戻ってしまった。
悲しいかな、いかなる時代であれ、戦争は人間の心をあらゆる面で歪ませてしまうもので...。
特に、子どもであればあるほど、たとえ直接関わりのなかったとしても、過敏にならざるを得なくなってしまうのが、一番悲しい。
その象徴となるであろう、黒島結菜演じる秀子、健気だった。
あの前年2014(平成26)年10月12日日曜日より放送のTBS日曜劇場『ごめんね青春!』という宮藤官九郎脚本の学園コメディードラマでは、生真面目でありながら時折かわいらしい素顔を魅せる学級委員・中井貴子として、多くの視聴者を釘づけにしただけに...。
この『マッサン』では、真逆のキャラクターかもしれないや。
それよりも、秀子の母親、すなわち、かの騒ぎの張本人である美紀を演じた堀内敬子が...。
三谷幸喜が主宰する東京サンシャインボーイズのために脚本を書き下ろした舞台劇『12人の優しい日本人』で演じた、タバコの煙が苦手で気弱だが純真な50歳のクリーニング店経営者・陪審員10号を、つい思い出してしまった。
あの、2005(平成17)年上演の「四演版」を...。
『マッサン』での美紀が、『12人の優しい日本人』の陪審員10号のように、まっとうな物の分別を意識してゆくことのできたら、どのような展開になってたのだろうか、と想像すると、つい悔やんでしまった。
そして、キャサリンを演じる濱田マリも、同じく。
まず、戦時中が舞台の映画出演と言えば、映画監督・木下惠介の第二次世界大戦中の実話を題材にした、2013(平成25)年6月上旬より公開の日本映画『はじまりのみち』...。
演じるは、主人公・木下惠介(加瀬亮)の家族を遠巻きながらも温かく見守る市井の女性・こまん...。
まさに、『マッサン』でのキャサリンと似たり寄ったりのような姿???
戦後から長く時は流れて現代を舞台にした作品もしかり。
由緒ある大屋敷に住む家族にありがちな地域独特の"しきたり"にまつわる悲喜劇に翻弄される人たちを描いたドラマ、2007(平成19)年1月上旬より放送のテレビ朝日木曜ドラマ『エラいところに嫁いでしまった!』も、なかなか考えさせられるもの...。
この時演じたのは、3人の子持ちで夫を完全に尻に敷き、意見や要望を無視することも多い専業主婦・守山由美。
非常に皮肉屋な性格もあって、大食いでズボラで大雑把な新婚早々のフリーライター・山本君子(仲間由紀恵)に八つ当たりすることもしばしば多い反面、実は人一倍寂しがり屋で意地っ張りな振る舞い、なかなかの面白おかしさだった。
いずれにせよ、時代ごとにおける、それぞれの人たちの関わり合いともなれば、否応なく考えさせられてしまう。
いかなる時勢や潮流が主流になろうとも、人ととしての温かみ、決して忘れない。
2015-01-26 |
共通テーマ:日記・雑感 |
nice!(0) |
コメント(0) |
トラックバック(0) |
編集
コメント 0