小さいおうち DVD Blu-ray
あの山田洋次監督が、直木賞受賞・中島京子著作のベストセラー小説を、通算82作目として映画化。
第64回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に選出され、黒木華が最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞した勢いを駆って、今年2014(平成26)年1月25日土曜日より公開。
鑑賞による不可思議な余韻が尾を引いて...。
何と8月8日金曜日にDVD/Blu-rayが発売へ。
振り返ってみれば、不可思議なひととき。
主軸となる物語は、1936(昭和11)年、田舎から出てきた純真な娘・布宮タキ(黒木華)は、東京郊外に建つ少しモダンな、赤い三角屋根の"小さなおうち"すなわち平井家にて、女中として働き始めることとなり、若く美しい奥様・時子(松たか子)と旦那様・雅樹(片岡孝太郎)、そして、可愛いお坊ちゃま・恭一(秋山聡)との、穏やかな日々。
しかしある日、一人の青年・板倉正治(吉岡秀隆)が現れて、奥様の心があやしく傾いていくことに。
タキは、複雑な思いを胸に、その行方を見つめ続けることになって...。
それから60数年後の現代。
晩年のタキ(倍賞千恵子)が大学ノートに綴った自叙伝には、”小さいおうち”で過ごした日々の記憶が記されていた。
残されたノートを読んだ親類の荒井健史(妻夫木聡)は、秘められ続けてきた思いもよらない真実にたどり着くことになって....。
昭和時代初期と60年後の平成時代の交錯による物語の進行も、静かなる観応えだったけど...。
黒木華演じるタキと、松たか子演じる“小さいおうち”の奥様・時子はじめ家族との、単なる主人と使用人を超えた関係とでも言うのか、確かな絆の結びつきようもしかり。
黒木華の考える時子に関しては、ある時はお姉さんのように面倒を見てあげる時もあったり、時には憧れだったり、それを超えた家族の愛だったりといった存在感とのこと。
モダンな文化が華やかな時代から戦争へと突入していく昭和の時代を生きた人々を描いた本作は、決して死への恐怖を予感させる重苦しい展開はなく...。
あらゆる感情が織り交ざっての人間との出逢いと関わり合いという普遍的な物語で、若い人が観ても楽しめる映画だった。
そして、"小さなおうち"に封印された二人の女性の“秘密”の明らかになる過程も加わって、まさに切なくもミステリアスな物語。
8月8日金曜日、楽しみだ。
2014-05-16 |
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