納谷悟朗 声
またひとり、名優が...。
3月5日火曜日午前3時、昭和のアニメ界を席巻した声優・納谷悟朗氏が、慢性呼吸不全のため先立たれた。
享年83歳。
1959(昭和34)年に喜劇が主体の劇団テアトル・エコーに入団。
舞台経験を重ねる傍ら、経済的事情もあってか、役作りの一環として、洋画の日本語吹き替えを手掛けるようになり、チャールトン・ヘストンやジョン・ウェインを持ち役として親しまれることに。
特に、アニメでは、1971(昭和46)年から放送開始された『ルパン三世』での銭形警部のダミ声や、1974(昭和49)年から放送開始された『宇宙戦艦ヤマト』の初代艦長・沖田十三の威厳ある声は、強い印象を残したなあ。
『ルパン』での「ルパ~ン!!!今度こそ逃がさんぞ~!!!」、
『ヤマト』での「地球か、何もかも、みんななつかしい...」、
同じ人物が演じているだなんて、全然思えなかった。
1960年代後半から70年代そして80年代のアニメや洋画日本語吹き替えには、自然と夢と親しみを持てるような感動の連続だったな。
例えば、
「アラン・ドロンやアル・パチーノの声と言えば野沢那智」とか、
「ルパン三世やクリント・イーストウッドの声と言えば山田康雄」みたいな。
納谷本人に限らず、先の野沢那智や山田康雄、そして『ルパン三世(2nd season)』(1977~1980年)からの石川五右衛門の声でおなじみの井上真樹夫らの世代は、声優ではなくて舞台俳優としての自負が強いことで知られる。
舞台での発声と身振り手振りが、気持ちとなって現れるという仕事の本質を身をもって実感するだけに、声優になりたいとか、声優としてものを尋ねる相手には、烈火のごとく激怒するらしいという。
"声優"という職業(?)として認知(?)されつつある、現在のアニメや洋画日本語吹き替えを手掛ける人たちは、どのような考えなのかが、気になるところ。
1995(平成7)年3月、山田康雄が先立った後のお別れの会で、弔辞を読んだ納谷悟朗があのダミ声で、
「ルパ~ン、お前が行っちまったら、オレはこれからどうしたらいいんだろうなあ...」
そして、この度の納谷さんのお別れの会、
いったい、誰が弔辞を読むんだろうなあ。
先の『ルパン三世』での井上真樹夫か?次元大介の声の小林清志か?
意外と、『宇宙戦艦ヤマト』での森雪の声の麻上洋子か?
追悼の気持ちを込めて、名作とされるDVDでも観ようかな。
1979(昭和54)年公開のあの宮崎駿初監督作品とされる映画『ルパン三世・カリオストロの城』、
そして、1984(昭和59)年公開の初のスタジオジブリ作品の映画『風の谷のナウシカ』。
ヒロイン・ナウシカ(島本須美)が師と仰ぐ、剣豪で歴史文化の造詣深い人格者・ユパ・ミラルダの、『ヤマト』の沖田艦長の声を彷彿とさせる威厳ある声も素晴らしいけど、
やはり、あの『カリオストロの城』での一番人気の高い銭形警部の名言かな。
「いや、ヤツはとんでもないものを盗んでいきました! ...あなたの心です!」
我ながら申させてください。
あなたはとんでもないものを盗んでいかれました。
ファンの心です。
合掌
2013-03-11 |
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