弱くても勝てます 原作 キャスト 音楽
「弱くても勝てます」
いかなる分野であれ、この言葉を目にしてしまうと、ついつい飛びつきたくなってしまうもの。
それは、2012(平成24)年9月下旬に発売された『「弱くても勝てます」 開成高校野球部のセオリー』(高橋秀実/新潮社)。
あれから1年半の歳月が流れて、4月12日土曜日21時より日本テレビ土曜ドラマ『弱くても勝てます ~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』として、放送開始されるとのこととあって、改めて目を通すことに。
それは2005(平成17)年夏、東大合格者数日本一で有名な開成高校野球部が甲子園大会東東京予選での勝ち進む姿を描いたノンフィクション。
すなわち、監督と選手たちへのインタビューを元に、甲子園出場を目指す開成高校野球部を数年にわたって追い続けた、ルポルタージュ。
グラウンド練習は週1日3時間、トンネルでも空振りでもかまわない、勝負にこだわりドサクサに紛れて勝つ……。
その監督の独創的なセオリーと、下手を自覚しながら生真面目に野球に取り組む選手たちの日々には、思わず爆笑してしまった。
なぜ強くなったのかの結果を裏付けるような科学的、画期的な練習メニューの数々は、残念ながら特に紹介されていない。
ただ、限られた時間を有効に使うべく、練習を実験と検証の場と捉え、監督と部員たちは良くも悪くもさまざまなことで論理的に考え悩んでいる場面場面が、著者の独特な見方、描き方と相まって魅力ある一冊に。
例を挙げるならば、監督は開成高校を"普通"とし、全国から生徒を集め充実した環境で毎日練習している
強豪校を"異常"だとしており。
にも関わらず、開成高校の目標は「強豪校を倒すこと」。
練習中の声出しやみんな揃ってのウォームアップを不要として廃し、野球部の日常風景の中から徹底的にムダを省き、勝つために必要なことだけに注力。
監督から選手への「ピッチャーをやるな!」「これじゃ強いチームだろう!」といった檄や、「勝負以前に、(相手チームに)失礼があってはならない」「野球しようとするな」「一生懸命投げるな」「大雑把に振れ」などの謎の珠玉の言葉。
選手たちは正しく理解していくことになって...。
部員を通り越して読み手の思考力を試してくるようななぞかけへの答えの明確さ、
徹底的な合理主義のもとに成立した弱いチームが強豪校相手にどう戦うのかという哲学、
勝機は意外に転がっているとつくづくと実感したゆえ感動的ですらあり、実際そこそこ強くて爽快だった。
あくまでも取材記事が基なので、特に感動的なフィナーレが待っているわけではない。
それでも、ふと野球場の前を通りかかったところ開成高校が試合をしていたら、ふらっと見たくなるような思いに掻き立てられる本だった。
後に東大へ進学して、日本を動かすエリートへと成長、やがて社会の中心に立った時に、野球部で育んだしなやかさとしたたかさは如何に発揮されるだろうかという視点において、開成高校野球部OBの描く日本の未来は、少しばかり楽しみ。
そして、4月12日土曜日21時より放送開始。
日本テレビ土曜ドラマ『弱くても勝てます ~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』が...。
キャッチコピーは「弱くても、勝てる。きっと、うまくいく!」。
物語は、原作を基盤としたオリジナルストーリーで、毎年東大に多くの生徒を送る架空の進学校・小田原城徳高校が舞台。
主演は、東大で生物の研究を続けてきた30歳目前の臨時教師・田茂青志(たも あおし)を演じる、二宮和也(嵐)。
高校3年生の野球大好き球児だが、下手な赤岩公康を演じるは、福士蒼汰。
赤岩に恋する幼なじみの野球部マネージャー・樽見柚子を演じるは、有村架純。
野球部唯一の実力者でプロを目指す白尾剛を演じるは、中島裕翔(Hey! Say! JUMP)。
岡留圭には、間宮祥太朗。
樫山正巳には、 鈴木勝大。
伊勢田秀人には、 阿久津愼太郎。
野球部監督だが、やる気も知識もなく青志に監督の座を奪われる増本信樹を演じるは、荒川良々。
小田原城徳高校野球部のへっぽこぶりと青志の言動に強い興味を持つスポーツ記者・利根璃子を演じるは、麻生久美子。
高校時代に“へっぽこ”だった青志を徹底的に打ち負かした経験を持つ、元野球エリートにして“永遠のライバル”の谷内田健太郎を演じるは、市川海老蔵。
柚子の母で、野球部のたまり場となる喫茶店「サザンウインド」オーナー、野球部の裏監督的存在の樽見楓を演じるは、薬師丸ひろ子。
その他のキャストとして、山﨑賢人、本郷奏多、桜田通、栁俊太郎、平岡拓真、光石研、川原和久、笹野高史。
さらに、ドラマを彩る『日本テレビ系土曜ドラマ「弱くても勝てます ~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」オリジナル・サウンドトラック』として、音楽を手掛けるのは、井上鑑。
あの2013(平成25)年1月から3月までの同局同時間帯で放送されたファンタジー作品『泣くな、はらちゃん』の時のような心温まるすがすがしい感動がよみがえるんだろうなあ。
本放送と合わせて、5月28日水曜日の発売が、楽しみだ。
2014-03-23 |
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