高橋一生 わろてんか 好漢 懐刀
ということかなあ。
ならば、嬉しいや。
8月20日日曜日放送となる、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』第33回「嫌われ政次の一生」で演じた、小野但馬守政次の退場劇があったとしても...。
それを埋め合わせるかごとく、再び喜ばしいひとときが...。
理由は...。
ほどない10月2日月曜日より放送開始のNHK朝ドラ『わろてんか』に出演...。
演じるは、大阪の伊能薬品社長の愛妾の子・伊能栞。
東京の生まれ育ち、成人してしばらくの歳月を経て、神戸で貿易会社起業。
出生の事情ゆえ、実家から距離を置く中、ヒロイン・藤岡てん(葵わかな)の結婚相手になる予定...。
ところが...。
てんは北村藤吉(松坂桃李)を好き...。
それでも、てんの本意をしっかりと尊重。 そのまま後押しする度量の広さが...。
以来、前後してのエンターテインメントへの関心ゆえ、てんと藤吉と親交を深め、日本に華やかなショービジネスを根付かせてゆく辣腕ぶりが...。
この度量の広さゆえの好漢ぶりと懐刀に近い仕事ぶり...。
これまでの蓄積が大きいのかなあ。
(改めて長く振り返ってみまして...)
1980(昭和55)年12月9日生まれの東京都出身。
出身地は東京都。
ふと観た映画への漫然とした関心から、のめり込み始めたのがきっかけだったのかなあ。
1990(平成2)年2月より公開のビートたけし主演兼プロデュースの小水一男監督・脚本の映画『ほしをつぐもの』で、映画初出演。
それから約5年後...。
まず、あの忘れもしない1995(平成7)年7月15日土曜日より公開のスタジオジブリ製作のアニメ映画『耳をすませば』の天沢聖司の声...。
才色兼備な美少年の初々しさと瑞々しさが...。
ただ、直後の変声期と並行する形での仕事続きゆえ、暗中模索の時期に...。
次に、石田衣良原作・堤幸彦チーフ演出・宮藤官九郎脚本、2000(平成12)年4月14日金曜日から6月23日金曜日まで全11話放送のTBS金曜ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』、2003(平成15)年3月28日金曜日放送のスペシャルドラマ『池袋ウエストゲートパーク SOUPの回』...。
演じたのは、 マコトこと真島誠(長瀬智也)の中学生当時の同級生で学年一番の秀才だった、森永和範。
しかし、秀才ならではの脆さゆえか、卒業後久しく、完全な引きこもり状態に...。
やがて、とある事情あっての久々のマコトとの再会。 それを契機に家を出ることに成功。 「姫」の捜索の際手がかりを提供したほか、コンピューター技術を活用。 のちに情報屋へ...。
しかし、引きこもり時代の反動ゆえ、再度の引きこもりを恐れ、自宅に戻れない"逆引きこもり"に、24時間営業ファミリーレストランでの日々へ...。
最終的には、情報屋の傍ら、インターネットカフェをオープン...。
前後して、2001平成年から扉座への入団...。
舞台『フォーティンブラス』での準主役デビュへ...。
一方で、NHK大河ドラマにも出演...。
1999(平成11)年放送の『元禄繚乱』での江戸幕府第5代将軍・徳川綱吉(萩原健一)の側用人・柳沢吉保(村上弘明)の長男・吉里。
2004(平成16)年放送の『新選組!』での桑名藩主・松平定敬。
2007(平成19)年放送の『風林火山』での武田信玄(当時・二代目市川亀治郎)の幼少以来の気心ある側近・駒井政武。
失礼ながら、いずれも何気に目にしたら、なぜか要所要所に存在している、といった実感かなあ。
いわゆる子役上がりゆえ、抜群の演技力に定評あるものの、特別に存在感が際立つまでには至らなかったかのようで...。
そんな中、4度目の出演となる、2014(平成26)年1月5日月曜日より放送の『軍師官兵衛』は、強く印象に残った。
そう、2月9日日曜日放送の第6回の初登場より、主人公・黒田官兵衛(岡田准一)に仕えて、後年の"黒田二十四騎"と呼ばれることとなる精鋭家臣団の本格的登場の始まりの予感を展開させてくれて...。
演じたのは、後世の『黒田家臣伝』で「行儀にすぐれ武勇の心懸(こころがけ)深かりけり」と評される家臣団きっての頭脳派ゆえ冷静沈着、後年の黒田家二番家老・井上九郎右衛門。
主のためなら命もかえりみない熱き忠義心をもっての行動はじめ、嘘を流して敵を翻弄するなどの知略をもっての数々の戦での勝利へ貢献してゆく人となりが...。
特に、謀反を起こした荒木村重(田中哲司)による1578(天正6)年11月の官兵衛の有岡城幽閉以来の窮状の克服、有岡城に潜入しての敵方の動向の探りと、1年後の1579(天正7)年10月19日の有岡城開城からの官兵衛救出劇、目が離せなかった。
ほかには、終盤における"西の関ヶ原の戦い"こと石垣原の戦いで、大友氏の家臣・吉弘統幸との直接対決に至るまでのいきさつも...。
まさに、「火の中に水を感じるような、熱い面と冷静な面とが表裏一体の人物像を、1年がかりでつくりあげていけたら」との意気込み通り、最後の最後まで、しっかりと魅せてくれて...。
2015(平成27)年には一転して、1月11日日曜日から3月1日日曜日までの全8話放送のNHK BSプレミアムドラマ『だから荒野』での、荒涼とした光景に...。
46歳の専業主婦・森村朋美(鈴木京香)専業主婦・森村朋美が、自身にぞんざいに接し続ける家族への怒り沸騰、家には戻らないという勢いのまま高速道路を西へと車を疾走させての道中記が...。
演じたのは、謎の老人・山岡孝吉(品川徹)を加えての道中の旅、そして長崎でのひとときを、朋美とともに過ごす謎の美貌の青年・亀田章吾。
朋美の苦しみを受け止め、静かに背中を押して前向きにさせる姿、まさに温かみいっぱいで...。
さらなる飛躍の続いての最近印象に残った作品として...。
同年7月24日金曜日から9月18日金曜日まで全8話放送、池井戸潤原作・西荻弓絵脚本のテレビ朝日金曜ナイトドラマ『民王』...。
2016(平成28)年4月15日金曜日放送の『民王スペシャル 新たなる陰謀』、4月22日金曜日放送の『民王スピンオフ 恋する総裁選』...。
演じたのは、100代及び101代内閣総理大臣で民政党総裁・武藤泰山(遠藤憲一)の公設第一秘書・貝原茂平。
無表情でクールに演じる一挙手一投足、なかなかのもので...。
特に、泰山に対しても辛辣なツッコミをサラリと入れる慇懃無礼な毒舌家ぶり、多くの視聴者から好評。
第1回コンフィデンスアワード・ドラマ賞と第86回ザテレビジョンドラマアカデミー賞で、それぞれ助演男優受賞へ...。
最後に、この年2017(平成29)年...。
5度目のNHK大河ドラマ出演作品となる、1月8日日曜日より放送開始の『おんな城主 直虎』...。
演じたのは、井伊家筆頭家老・小野和泉守政直(吹越満)の嫡男・政次(幼少期:小林颯)。
おとわ(新井美羽)のちの井伊直虎(柴咲コウ)や亀之丞(藤本哉汰)のちの井伊直親(三浦春馬)と幼なじみながら、長年井伊谷を治めてきた井伊家に代わって支配する今川家寄りの家老ならではの冷徹さと伸長ぶりゆえ、常に家中で孤立する父の姿を痛感かつ嫌悪の反面、次第に窮地に追いやられてしまう直虎と直親の苦境に、葛藤を深めつつ成長へ..。
やがて、父の後を継いで家老となるものの、かつての父と同じ立場に追い込まれてしまって...。
孤独な決断を迫られる悲哀...。
ドラマであれ現実であれ、誰もが痛感させられることになって...。
あの不憫さと切実さと儚さ、忘れられない...。
ヒロインである幼少のおとわの頃からほのかな想いを寄せ続けて、井伊直虎と名を改めてからも、戦国乱世の大国ならではの魑魅魍魎をかいくぐっての生き残りをかけて、小国・井伊谷のために、表面上の対立の反面、囲碁のやりとりでの互いに想いを馳せ合う静かなるひととき...。
それがささやかな幸せだったのかなあ。
以上あっての、劇伴担当の菅野よう子のCD『NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」 緊急特盤 鶴のうた』の、8月23日水曜日からの発売...。
多くの人たちの心を浄化してくれそう...。
あの『耳をすませば』から、約22年数ヶ月後か...。
この度の『わろてんか』での、より高度に洗練された姿、しっかりと見届けようっと。
伊能栞の好漢ぶり、助言者として懐刀としての静かなる強さを...。
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