満島ひかり 愛のむきだし おひさま トットてれび
ますます気になってしまう。
特に、2015(平成27)年が明けて早々の週刊誌をはじめとする情報誌にて、好感度のタレントのランキングなどで、大いに賑わすしてくれるものだから...。
その紹介された女優部門にて、満島ひかりの"全身女優"としての評価の高さと絶賛ぶりが...。
改めて振り返ってみたくなった。
1985(昭和60)年11月30日生まれで、沖縄県沖縄市出身。
フランス系アメリカ人の祖父をもつクォーター。 ほかの家族には、両親と弟2人と妹1人。
上の弟に俳優の満島真之介。 下の弟にBリーグ3部・ライジングゼファーフクオカに所属予定のバスケットボール選手・満島光太郎。 妹はモデルの満島みなみ。
親戚には、AKB48・チーム4所属の村山彩希。
きっかけは、沖縄アクターズスクール主催の「安室奈美恵 with SUPER MONKEY'Sオーディション」での優勝から。
無料で1年通学できる権利を得たため、親を説得して入校した後、三浦大知や南明奈の所属する7人組ユニット・Folderに"HIKARI"名義で参加し、1997(平成9)年にシングル「パラシューター」でデビュー、10万枚以上のヒットを記録。
同時期に映画『モスラ2 海底の大決戦』にも子役で出演、この経験が俳優を志す契機に。
三浦大知脱退後の2000(平成12)年に5人組ユニット・Folder5へ改組後も、3枚目シングル「Believe」がフジテレビ放送のアニメ『ONE PIECE』のオープニングテーマに起用されるも、2002(平成14)年の8枚目シングル「MY MIRACLE」以降発売されておらず、事実上解散状態に...。
Folder5の活動休止後、八雲学園高等学校在学中の2003(平成15)年9月からTOKYO MXの公開バラエティ番組『ゼベック・オンライン』のアシスタントとして本名の"満島ひかり"名義で芸能活動を再開。 司会・グラビア・タレント活動を経て現在の女優業に転向へ...。
この間、2004(平成16)年4月にヴィジョンファクトリーの子会社・ぱれっとに、2009(平成21)年に現事務所のユマニテに移籍。
前後して、2005(平成17)年7月2日土曜日より放送のTBS系列CBC制作特撮ドラマ『ウルトラマンマックス』。
2006(平成18)年6月17日土曜日より、11月3日金曜日より、それぞれ公開となる、大場つぐみ・小畑健原作、金子修介監督の映画『デスノート / デスノート the Last name』での主人公・夜神月(藤原竜也)の妹・粧裕。
2006(平成18)年12月6日水曜日から10日日曜日までのシアターモリエールでの初舞台『偽伝、樋口一葉』での主演・樋口一葉。
2008(平成20)年3月31日月曜日より放送のNHK朝ドラ『瞳』での主人公・一本気瞳(榮倉奈々)のチームメイトとなるダンサー・橋本純子。
一部では注目されたものの、長らく芽の出ないまま...。
そんな中での第一の転機となったのは、2009(平成21)年1月31日土曜日より公開の園子温原作・監督・脚本の映画『愛のむきだし』。
上映時間は3時間57分とあって、当時としては異例の1日2部構成に...。
幼い頃に母を亡くし、神父の父・テツ(渡部篤郎)と二人暮しのユウ(西島隆弘)は、理想の女性“マリア”にめぐり逢うことを夢見ながらの平和な日々。
ところが、テツが奔放な女・サオリ(渡辺真起子)と出会い、同居してから生活が一変。 やがて、サオリがテツの元を去り、テツからユウへの"懺悔"の強要から、ユウは父との繋がりを保つために盗撮という罪作りに没頭。
そんなある日のこと、不良仲間との罰ゲームで女装している最中、ついに理想の女性・ヨーコ(満島ひかり)とのめぐり逢いへ...。
ここまでの58分30秒を経て、ようやくタイトルバックが、怒涛のごとく展開...。
以後は、幼少時の父からの性的虐待まがいの悲しい経緯から男嫌いになる反面、キリスト教と聖書にのめり込んだヨーコの歪んだ成長の過程におけるサオリとの出会い。 よりを戻したがるテツに連れられてのサオリとともに、テツとサオリとユウとヨーコとの奇妙な家族生活。 幼少時の性的虐待まがいの悲しい経緯ゆえの歪んだ成長の過程で、新興宗教団体・0教会幹部として接触を計り、ユウとヨーコを攪乱させるコイケ。
こうして、さまざまな思惑と感情が、複雑かつ激しく交錯しての、さらなる怒涛の展開が...。
なお、余談ながら、ユウと関わる不良グループの幹部に綾野剛、ヨーコの遠い親戚に松岡茉優が、それぞれ出演。
ともに当時まだ低い知名度ながらも、なかなかの存在感だった。
特に、撮影当時、ほとんど無名ながらも、監督から何度も演技の駄目出しを受け、身体には痣もできるなど、精神的にも肉体的にもハードな状態の中、自分をぶつけられる場を与えられたことで、「今までやり切れなかったことを全て吐き出すことができた。 また、自分のベースをつくった感覚もあった」と達観するまでに...。
結果として、「もはや狂気とも呼べる領域に達した満島の芝居に全てが圧倒された」と監督に言わしめた演技が高く評価され、作品の話題性と相まって知名度が急上昇。
第59回ベルリン映画祭フォーラム部門の国際批評家連盟賞とカリガリ賞のダブル受賞、第9回フィルメックス“アニエスベー・アワード”(観客賞)受賞、報知映画賞やヨコハマ映画祭や毎日映画コンクールなど、その他多くの映画新人賞を受賞、キネマ旬報賞では助演女優賞を獲得。
見事に現在の立ち位置を確立させてからは、ますます磨きをかけることになって...。
2009(平成21)年1月17日土曜日より公開の金子修介監督の映画『プライド』...。
2010(平成22)年4月3日土曜日より公開の安藤モモ子監督の主演映画『カケラ』、7月16日金曜日より放送の大根仁演出・脚本のテレビ東京ドラマ24『モテキ』、9月11日土曜日より公開の李相日監督の映画『悪人』。
二つ目に際立った作品としては、あの2011(平成23)年4月4日月曜日から10月1日土曜日まで全156回放送の岡田惠和脚本のNHK朝ドラ『おひさま』が...。
キャッチコピーは「私は陽子。 太陽の“陽子”です!」。
信州・安曇野市と松本市を舞台に、激動の昭和時代を生き抜いたヒロイン・須藤(丸山)陽子(井上真央)の半生を描いたドラマで、演じたのは陽子の安曇野高等女学校時代の同級生・筒井育子。
街の本屋の娘で、両親と年の離れた弟妹とともに生活。見栄っ張りな調子者の性格で、女学校在校当時は不良の振る舞いゆえ女生徒たちから大人気。
英語教師・飯田小太郎(近藤芳正)の「女のくせに...」の口癖はじめとする厭味に反発し、陽子と容姿端麗な令嬢・相馬真知子(マイコ)とともに英語のテストを白紙で出したことから、「白紙同盟」を結成。
以後、両親の反対を押し切っての上京からの波瀾万丈を経ての、逞しいキャリアウーマンとしての成長ぶりが...。
後年オクトパスと渾名された飯田小太郎から陽子たちへの餞の言葉「Well ladies,enjoy your lives! (女性たちよ、良き人生を!)」、忘れられない。
並行して、2011(平成23)年7月7日木曜日より全11話放送の坂元裕二脚本のフジテレビ木曜劇場『それでも、生きてゆく』の出演で、低視聴率ながらも作品の完成度の高さが評価されることになって...。
2013(平成25)年には、同じ坂元裕二脚本で民放初主演となる7月3日水曜日より全11話放送の日本テレビ水曜ドラマ『Woman』の演技が高評価。多数の賞を受賞するまでに...。
2015(平成27)年には、蜷川幸雄80周年記念シェークスピア舞台公演『ハムレット』にオフィーリア役で出演。
海外の台湾国立中正文化中心及びシェークスピアの聖地ロンドンのバービカン・センターでも上演へ...。
ハムレット役の藤原竜也とは映画『デスノート』での兄妹役以来約8年ぶりの共演となり、オフィーリアの兄レアティーズ役には実弟の満島真之介が...。
三つ目に際立った作品としては、あの黒柳徹子との縁の深さから...。
かの『おひさま』放送最中のテレビ朝日トーク番組『徹子の部屋』出演の際、自身の(役の)未来を演じられるとの直談判あっての最終回、自身の演じた筒井(須藤)育子の晩年役としての黒柳徹子の出演...。
結果、黒柳本人にとって24年ぶりとなる連続テレビ小説出演が功を奏してか、2016(平成28)年4月30日土曜日から6月18日土曜日まで全7話放送のNHK土曜ドラマ『トットてれび』では、本人から逆指名される形で、主人公・黒柳徹子を好演へ...。
黒柳徹子の自伝エッセイ『トットひとり』と『トットチャンネル』を映像化した作品で、徹子本人がNHK放送劇団に入団してからの半生と昭和のテレビ史そのものが重なり合うかのような、笑いあり涙ありのドラマ・バラエティーそのものだったなあ。
キャッチコピーの「世の中なんだか、徹子さんが足りない。」をテーマに、誕生から60年あまりの間に幾多の前例や決まりごとによって縛られてしまったテレビの世界にあって、何者にも縛られず自由であり続けた黒柳徹子本人のごとく、かつてテレビが創造性に溢れ自由だった時代の物語を、自由かつ大胆に、様々な挑戦に意欲的に取り組みつつドラマ化した展開、まさにエンターテインメント...。
自身を「筋金入りの黒柳徹子ファン」だと語り、あの2014平成年3月31日月曜日より放送のNHK朝ドラ『花子とアン』を手掛け、中園ミホが脚本。
あの社会現象となった2013(平成25)年4月1日月曜日より放送のNHK朝ドラ『あまちゃん』の大友良英とSachiko Mと江藤直子が音楽。
脇を固めるキャストも豪華で、両親の黒柳守綱(吉田栄作)・朝(安田成美)はもちろん、NHKでの出逢いで触発されることになる飯沢匡(大森南朋)、大岡龍男(武田鉄矢)、伊集院ディレクター(伊集院正吉(濱田岳)...。
続いて、あの笠置シヅ子(中納良恵 EGO-WRAPPIN')横山道代(菊池亜希子)、三木のり平(小松和重)、沢村貞子(岸本加世子)、森重久弥(吉田鋼太郎)...。
渥美清(中村獅童)、永六輔(新井浩文)、坂本九(錦戸亮 関ジャニ∞)、向田邦子(ミムラ)、篠山紀信(青木崇高)らとの出逢いと関わりも...。
箸休めとしては、中華飯店の王さん(松重豊)や、毎回登場の百歳の徹子(黒柳徹子)も...。
個人的に一番嬉しかったのは、第4話。 かつてのFolder時代以来の三浦大知演じるチャールズ・チャップリンチャップリンとの共演が...。
あの「ニューヨーク・ニューヨーク」の流れるエンディング、最高潮だったなあ。
何から何まで憎い演出が多すぎて、嬉しかった。
すでに、「勤労感謝の日」である11月23日水曜日にDVD発売。
この際立った3作品における、激しさと快活さと明朗さ、忘れられないや。
これからも、ますます磨きがかかるんだろうなあ。
2016-11-01 |
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