マッサン 感想 DVD Blu-ray
3月28日土曜日にNHK朝ドラ『マッサン』最終回である第150回が終了して、1ヶ月を迎えようとする今日この頃のこと...。
やはり、ついつい気になってしまうもの。
政春(玉山鉄二)とエリー(シャーロット・ケイト・フォックス)の長きにわたる夫婦愛による心に染み入った感動はもちろんのこととして...。
並行して、効果的に挿入される、牧歌的なスコットランド民謡の数々と、音楽を手掛ける富貴晴美の制作した印象的な楽曲が、多くの名シーンに溶け込んでいて、心が温まるんだろうなあ。
折しも、DVD/Blu-rayによる完全版も少しずつ発売になっているから、最初から振り返ってみようっと。
2月27日金曜日発売のBOX1は、ウイスキー作りを学ぶためスコットランドに渡った政春が、外国人の妻・エリーを伴い帰国する第1週から始まって...。
結婚報告をするも、生家の広島県竹原の造り酒屋「亀山酒造」の母・早苗(泉ピン子)の猛反対に遭い、出戻り先の住吉酒造でほぼ孤軍奮闘するも、当時としてはリスクの高すぎるウィスキー事業を否認されて退職に追い込まれる第5週。
無職となりながらも、勤務当時の出向先だった鴨居商店社長・鴨居欣次郎(堤真一)や何かと世話を焼いてくれる大阪の近所の人たちのありがたみを実感する第6週までが...。
4月24日金曜日発売のBOX2は、家賃が払えなくなって、家主の野々村茂(神尾佑)の下に直談判に向かう政春とエリーの悲喜劇から始まって、歌声教室に通う茂の娘の幸子(田中葵)とナツ(吉田暖)の姉妹と、女中から茂の後添いとなった由紀子(愛原実花)との心の交流を描いた第7週から始まって...。
父・政志(前田吟)の危篤という嘘の知らせを受けての広島への一時帰省と、実家で過ごす中で覚悟を決めて大阪へ戻ってからの鴨居商店入社まで描かれた第9週。
ウイスキー醸造工場建設に向けての政春と鴨居の考えの相違と分かち合いが、目から鱗が落ちるくらいの展開となった第10週。
しかしながら、不況ゆえに仕事上の考えの相違の広がりから鴨居社長と決別、勤務当時の営業先である北海道余市でのニシン漁師の網元・森野熊虎(風間杜夫)との出逢いに触発されての移住、ウイスキー製造資金集めのために動き始める第16週までを収録。
6月26日金曜日発売のBOX3は、1933(昭和8)年秋に地元のリンゴ100%のジュースの製造販売開始と並行して、小学3年生となった養女・エマ(住田萌乃)の葛藤と受け入れの第17週から始まって、難儀しながらのウィスキー製造販売開始に持ち込むも束の間、昭和初期の不況による倒産危機と海軍指定工場による安定までの第19週。
第二次世界大戦が開戦して外国人は敵視される世情となった第20週や、身内への召集と出征にまつわる人間模様を描いた第22週、余市の空襲と敗戦、工場を守るための進駐軍の依頼受け入れに至る第23週。
戦後の混乱期における3級ウイスキーを製造受託をめぐる人間模様を経ての、国産3級ウイスキー『余市の唄』販売と好評、高度経済成長期に伴う穏やかな日々、そして終焉に至る最終週まで。
特に、若かりし頃の政春が「この手を離すなよ」とエリーの手を引いて、はるか遠くに向かって並木道を駆け抜けるラストシーン、改めて鑑賞したくなるかのような素晴らしき仕上がりに...。
全体を通して、政春とエリーの夫婦はもちろん、自身も国際結婚である西川きよし演じる住吉酒造社長・田中大作や鴨居大将や熊虎の親方といった人間味あふれる人物を通して、仕事における理想と現実を見据える姿、忘れられないや。
中でも、決断の方向性については、玉山鉄二と風間杜夫が以前出演した2013(平成25)年放送のNHK大河ドラマ『八重の桜』とほぼ同じであるかのよう。
その志向する方向性について凝縮して歌っているのが、中島みゆきによる主題歌「麦の唄」なのではないか、との思いが次第に強くなっていったかのようだった。
そして、「Auld Lang Syne」(蛍の光)...。
日本では"別れを偲ぶ歌"として卒業式などで歌われるのに対して、スコットランドでは"親しい人との再会を祝う歌""大切な人と再会して乾杯しましょう!"という意味で歌われるもの。
素晴らしい。
ただ、失礼ながら、贅沢なわがままを口にすれば、物語全体の構成と比重に偏りがいくらか目立ってしまったことで、残念な気持ちになってしまったことかなあ。
中でも、脇役となる登場人物にまつわる伏線を張っておきながら、そのままになってしまったままのが、いくらか気になって...。
そんな気持ちのまま、ふと耳にすることになったのが、NHK BSプレミアムにおける『マッサン』スピンオフドラマの放送決定の知らせ...。
4月25日土曜日の20時から21時まで放送の前編「すみれの家出~かわいい子には旅をさせよ~」では、政春の妹・すみれ(早見あかり)が主人公。
広島を飛び出し大阪・住吉の食堂「こひのぼり」に住み込みで働き始めたすみれには秘密があり、どうやら女子校時代の先生・山村信吾がトラブルの原因らしく...。
そこへ、血相を変えた政春とエリーが、広島から島爺(高橋元太郎)が、それぞれ店にやってくることになって...。
本編と照らし合わせるならば、12月20日土曜日放送の第12週・第72回での、1924(大正13)年11月12日の鴨居商店山崎工場での御披露目会当日より前後する物語となるのかなあ。
5月2日土曜日の20時から21時まで放送の後編「たそがれ好子~女三人寄れば姦(かしま)しい~」では、1938(昭和13)年へと時は流れて、主人公は大阪・住吉酒造の事務員・安藤好子(江口のりこ)。
北海道余市に好子が池田(前野朋哉)と現れて早々、「うちら駆け落ちしてきてん!」と息巻くi好子の暴走は、熊虎の娘・ハナ(小池栄子)と、近所で理髪店を営む中島三郎(温水洋一)の妻・チエ(酒井若菜)を巻き込むまでになって、女たちは男たちを追い出し家事をストライキして大騒動へ...。
この時は工場冬期休業の間とあって、政春とエリーと養女・エマ(優希美青)が、大阪へ初めての家族旅行へ出発しようとしていたらしく、どのようなてんやわんやが繰り広げられることになるのか...。
本編と照らし合わせるならば、2月9日月曜日放送の第19週・第109回時点で1940(昭和15)年秋ゆえに、そこからさかのぼって2年前ということは、政春が工場で初めて仕込んだ原酒を樽に詰めて4年後ということに...。
もちろん、予想されるDVD/Blu-rayとしての発売、待ちきれないや。
いずれにせよ、「道を切り拓いていく!」ためには、"強い意志"とともに"心の平安"が必要ということなのかもしれないや。
"強い意志"を政春が担い、"心の平安"をエリーが担うことによって、「出逢いと別れを繰り返しながら、夫婦2人3脚で2人のウィスキーづくりの夢を実現していった」という、温かみのある物語...。
その物語のような夫婦愛が、永遠のものとして、広く深く浸透すること、祈りたいなあ。
最後に余談ながら...。
最終回前日にあたる3月27日金曜日放送、すなわちエリーが亡くなる第149回終了直後の『あさイチ』のプレミアムトークへの、政春役の玉山鉄二とエリー役のシャーロット・ケイト・フォックスのゲスト出演、特典映像としてノーカットで収録してくれたら、どれだけ嬉しいか...。
なお、司会を務めるNHKアナウンサー・有働由美子の涙の忘れられないのは、もちろんのことだけど...。
一番激しく号泣していたのが、意外にも女性通訳だったことに、不覚にも驚かされてしまった。
2015-04-04 |
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