花子とアン あらすじ ネタバレ 第9週
5月26日月曜日より放送の第9週は、はな(吉高由里子)への見合い話の到来から始まって...。
その相手は、大地主の御曹司・望月啓太郎。
現代に置き換えるならワイナリーの経営を手掛けるほどの裕福さ。
啓太郎は、はなの出版した『みみずの女王』にときめいたという。
加えて、はなの語学力を活かす環境下で、家事の一切は使用人任せ。
好条件の揃う縁談に家族全員心を動かされる中、父・吉平(伊原剛志)が4年ぶりに帰郷。
吉平ははなの自主性を阻害されると思ってか、強硬に反対。
しかし、はなは激怒、借金のために簡単に縁談を断れない事情を説明するものの、もどかしい雰囲気の蔓延したままで...。
はなの見合いの噂は村中に広まり、学校の子どもたちも、はなの結婚で学校を辞めるのではと、気が気でない。
はな自身も、御曹司に心のときめかないまま返事を躊躇、乗り気のなさを見た啓太郎から、結婚を白紙に戻すと告げられてしまう。
一方、福岡の嘉納家では、蓮子(仲間由紀恵)が、夫・伝助(吉田鋼太郎)のかねてからの粗野な言動を矯正しようと手を尽くすものの、暖簾に腕押し状態。
そこへ、伝助に金の無心を求める兄・葉山晶貴伯爵(飯田基祐)の姿を目撃、自身を金で買われた芸者か何かに思わせるような物言いに、蓮子は激怒。
しかし、「こんな高い芸者がいるか!」の伝助の言葉に、蓮子は深く傷つくことになって...。
そして伝助への当てつけか、蓮子は自宅をサロンに模様替え、文化人を招いての宴会を催す日々へ。
新聞記者・黒沢一史の高い知性と教養に、蓮子は関心を示してゆく。
やがて、蓮子は石炭王に嫁いで豪遊三昧と、新聞に報道。
伝助との対立もますます深まった。
蓮子は詩作へと没頭してゆく。
ようやく先日に、2011(平成23)年10月発売の『西日本人物誌(20) 柳原白蓮』(井上洋子 / 西日本新聞社)を読み終えて...。
「筑紫の女王」と呼ばれた柳原白蓮(子)、すなわちこのドラマのモデルである蓮子の華やかで激しい人生を、残した歌を交えながら、ひも解いてゆく構成。
大正天皇の従妹にあたる白蓮の生い立ち、当時15歳だった最初の結婚、筑豊の炭鉱王・伊藤伝右衛門との結婚生活と苦悩、若き法学士・宮崎龍介との出奔、平和活動にささげた後半生など、その時その時に詠み上げた歌。
本当に切ない。
特に、夫・伝右衛門に新聞紙面で公開絶縁状を突きつけた白蓮の行動。
因習に縛られた女性が社会に向けて放った「自立宣言」として大きな影響を及ぼして、感性豊かな短歌とともに、多くの人々を魅了し続けることになって...。
良くも悪くも心を揺さぶられてしまう。
本編では、いかなる描き方がされるのかが、気になるところ。
いつのことになるのかなあ。
話は戻って、はなが初めて受け持った生徒たちを卒業式で送り出す一方、2年の兵役を終了した兄・吉太郎(賀来賢人)が、職業軍人になると家族に宣言。
父・吉平は猛反対するが、かねてから父へわだかまりのある吉太郎の入隊の意志は変わらず。
間もなく、家族や地主・徳丸(カンニング竹山)など村人総出で、吉太郎の見送り。
吉平は知らん顔で行商に出発。
それでも、吉平は木陰から吉太郎に激励の言葉。
吉太郎は、吉平に静かに一瞥、そのまま進んでいく。
同じく先日に読み終えた2010(平成22)年5月発売の『大正期の家族問題 自由と抑圧に生きた人びと』(湯沢雍彦 / ミネルヴァ書房)もしかり。
失礼ながら年輩の方々の口にされる「昔の家族は良かった」という論調、大正期においてはかなり幻想に近いもので。
高い離婚率、私生子たちの嘆き、許婚や婿養子の多さ、内縁者、といった苦しみ。
貧しさに追われながらも、自由恋愛主義と「家」制度の狭間に翻弄された、大正時代のさまざまな家族の暮らしぶり。
これまでにない大正期の家族像の矛盾、心が痛い。
時々目を通そうっと。
現代のありがたみを実感するためにも。
そして、逆境ながらも、前向きに生きる術を、探り当てるためにも。
2014-04-20 |
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