観月ありさ ドラマ 夜のせんせい DVD
3月21日金曜日、TBS金曜ドラマ『夜のせんせい』が終了した。
悲しいかな、視聴率は全10話放送中、1月17日金曜日放送の第1話の10.6%以外はすべて1桁台で、平均視聴率6.5%。
しかし、それでも心に残るドラマだった。
まさに視聴率というモノサシだけでは、計り知れない。
振り返ってみれば、1979(昭和54)年10月より放送のTBS学園ドラマ『3年B組金八先生』の一連のシリーズはじめ、TBS日曜劇場での2000(平成12)年1月より放送の『Beautiful Life ~ふたりでいた日々~』と2004(平成16)年4月より放送の『オレンジデイズ』、などの演出を手掛けた生野慈朗のこと。
加えて、林宏司オリジナル脚本...。
この度のドラマの登場人物それぞれの繊細な心情の変化の描写にも、共感しやすい魅力があって....。
高名な教育者一家の育ちながら、成績優秀の姉と比較された屈折から、さまざまな職業を転々とした、元スナックのママで、見栄っ張りで浪費癖のある38歳の女性・夜野桜(観月ありさ)、まさに姉御肌だった。
かつてのスナックの常連客である日の出学院副校長・砂川誠(光石研)にスカウトされ、「一人でも生徒が退学したら即時解雇処分」を条件として定時制高校の教員となってしまってからの桜の孤軍奮闘ぶりのほか、年齢も生活環境も抱える問題も全然違うそれぞれの生徒の葛藤、忘れられない。
自身の傍観者ぶりからいじめを苦にした幼なじみの友人の自殺を止められず、ひきこもりになってしまった対人恐怖症の傾向の強い、黒井華(蓮佛美沙子)。
自営業者の父の失敗ゆえの幼少時代の貧乏生活で友人の離れた屈折から、社会に於いて勝者になることだけを考えて生きてきた、年収1000億円を稼ぐIT企業社長・上武俊介(田中圭)。
田舎から上京して飲食店経営を夢見ていたものの、共同経営者の田舎の先輩に運営資金を持ち逃げされ、やむを得ず一時期の俳優志望の勢いでホスト勤務、若手に抜かれて居心地悪そうな、源氏名・星野流星こと山田一郎(高橋一生)。
「週刊少年ジャンボ」などの巻頭を飾るグラビアモデル・橘かえで(新川優愛)。
姫野姫子という芸名で地下アイドルとして活動し、自身の考えるアイドル像と方針が合わない理由から、事務所移籍を希望する、白崎桃(清水くるみ)。
母の家出と弟の養護施設暮らしの後、アルコールが原因の肝臓疾患の父を支える、建築士志望のファーストフードアルバイト店員・大神玲(山本舞香)。
怪我が原因の柔道選手引退後、現在総合格闘技ジム通いの木村政代(江原由夏)。
結婚生活は愛ではなく経済力だと割り切り、条件に合う男性を探し27歳までの結婚が目標のキャバクラ嬢・神戸優奈(滝裕可里)。
城南予備校に通い模擬試験1位の若杉公則(岡山天音)。
中学時代にいじめを受けていた弱い自分から脱却し強くなりたいと思う一方で、伝説的な不良と同姓同名だけで本人と勘違いされて、不良の振りをする鳶職人・宇垣隆将(太賀)。
フリーの漫画家アシスタントを26年間務め、再デビューのタイミングをはかっていた、漫画家志望の梶原治(大倉孝二)。
多角的に会社を経営する夫の不在の寂しさから、新たな居場所を求める専業主婦・宗村真理(堀内敬子)。
生まれた時から性同一性障害の悩みを抱えての紆余曲折を経て、女性ホルモン投与のために休学していた、仙波剛三(大杉漣)。
警察官僚にも顔が広くスーパーワールドマート元会長で、今までに培ってきた人脈を活用し、桜や生徒たちの窮地を救う反面、長年の家庭を顧みない生活で家族を失った、外内耕介(笹野高史)
親の顔知らずで身寄りなし、物心がついた時には児童養護施設暮らし、心が荒み悪さをしていた18歳の頃に優しい声を掛けてくれた暴力団組織「極栄会」会長を親代わりとして慕って以来、冷静沈着で素人相手に喧嘩せず、今まで組織のために忠実に働いてきた構成員の大澤雄大(山本耕史)。
表面上はヒトクセもフタクセもある、ありとあらゆる人たちと関わることとなれば、悲しいかな、つまらないことで些細な言動が鼻についてしまって、つい身構えてしまったりするもので...。
つい身構えてしまう時ほど、相手の真意を静かに見据えて、前向きかつ建設的に相対する姿勢が必要なんだろうなあ。
そのことを肝に銘じるためにも、時折、目を通してみたいな。
『夜のせんせい DVD-BOX』の発売日は、2014(平成26)年7月25日金曜日。
またまた待ち遠しい日々が続きそうだ。
2014-03-25 |
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