里山資本主義とは 本 藻谷浩介
先日、ようやく読み終えた。
昨年2013(平成25)年7月10日水曜日に発売された『里山資本主義 -日本経済は「安心の原理」で動く』(藻谷浩介・NHK広島取材班 / 角川oneテーマ21)を、仕事の合い間を見い出しながらの熟読で...。
"人々の創意工夫"と"最先端の技術"と"懐かしい未来"へ、いろいろと想いを馳せながら一息ついたところ、いつの間に「角川oneテーマ21」の"新書大賞 2014"第1位の評価へ...。
全体を通して、何かを声高に言い募るのではなく、安心のできる暮らしを、ドッシリとじっくりと実践なさっている方々の紹介。
現実に里山が存在するのに、それを利用しないのは宝の持ち腐れになりかねないゆえ、経済的発想が生まれて、自然を資源として活用した循環型社会を作ることは重要、として社会へ向けた問題提起か...。
情緒的な里山賛美は別の次元のもの。
しかし、悲しいかな、日本の政策はドイツやオーストリアとは全然逆の方向。
オーストリアの成功は、経済的採算性に知恵を使った点にあって、そのような知恵が日本でも必要とされているということなんだろうなあ。
いわゆる"里山資本主義"を選択するのは、国民の判断次第ということに。
肝心要となるのは、いかにして再生可能な循環型社会において、経済的採算性を向上させるのかという才覚と実行力。
しかも、(すべてとは断言できないものの)ジャーナリストは、都合の良い材料だけを取り上げるゆえ、記述に偏りが生じてしまうもの。
あえて極論を口にするならば、目的意識のある人には田舎は天国、ない人には田舎は地獄。
それらを無視したまま、夢を語るところからは展望は生まれないことに、変わりはないんだなあ。
結局のところ、この本は伝聞に基づくエッセイであり、考えるための材料。
それでも、読み終えて後悔することなかっただけでも、貴重なひとときだった。
全体的な内容の是非と検証はともかくとして、
政治家に読んでほしい、経済人に読んでほしい、といった気持ちだけが残った。
記述されているオーストリアのようにエネルギー自給が高まるのは夢なのかなあ、何かできることから試してみたい。
森林と水資源の宝庫であればこそ。
2014-02-14 |
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