あまちゃん 松田龍平 あらいぐまラスカル
NHK朝ドラ『あまちゃん』も、6月24日月曜日放送より第13週から、いよいよ後半へ。
松田龍平演じる水口琢磨が、いよいよ本領発揮かな。
振り返ってみれば、
第7週終盤から、琥珀堀りの小田勉(塩見三省)の弟子を装って、喫茶&軽食「リアス」・スナック「梨明日」の常連客になったことからはじまって...。
時折魅せることのある、アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)のスカウトのチャンスをうかがっていた頃の、一見ひ弱そうながらも妖しげで飄々とした風貌でのあらゆる言動が、いろいろと目に浮かんだ。
紆余曲折の末、ユイは事情あって北三陸市にとどまり、アキは単身上京。
そして、第13週に入って、
敏腕マネージャーとしての水口琢磨の顔が、観られはじめることに...。
特に、GMT47のメンバーが共同生活をすることになる合宿所・谷中寮に常駐してからは、ビジネスマン特有の冷徹な表情が際立つようで。
常に本性を見せず、時に冷たく、時に温かく、つかず離れずの距離で、アキをはじめとするメンバーに寄り添い、"あまちゃん"から"本物のアイドル"へと導いてゆくという。
水口にすれば、GMT47は初めて委任されたプロジェクト。
必ず47都道府県からアイドルを集めて、全国コンサートツアーを敢行して、最終目標である日本武道館公演を実現したいという、熱い想いが...。
ただ、当初の構想であるGMT47のセンター最有力候補だったユイを欠いてしまったことから、社長の"太巻(ふとまき)"こと荒巻太一(古田新太)との間には、いくらかすきま風が吹き始めたかのようで...。
能年玲奈曰く、オフの時の会話での松田龍平は、とても気さくで独特の雰囲気があり、あらいぐまのラスカルに似ているとのことで。
相変わらずなかなかの面白い例え方だなあと、感心しつつも、
あらいぐまラスカルとは、ここ最近の小さな女の子の大好きなぬいぐるみの一つであることを、思い出した。
お腹を押すとプープーと可愛らしい音が出るという。
面白がって遊びたくなる気持ち、決してわからないわけではない。
しかし、実在するアライグマは、可愛らしい風貌とは真逆の獰猛で凶暴な小動物。
それゆえ、さらに振り返って、1977(昭和52)年1月2日から12月25日にかけての全52話で放送された、毎週日曜日19時30分からのフジテレビのアニメで、世界名作劇場『あらいぐまラスカル』が、いくらか気になった。
原作は、アメリカの作家・スターリング・ノースが自身の少年時代を回想して執筆した小説『はるかなるわがラスカル』。
時代は、1914(大正3)年から1915(大正4)年。
[原作では、1918(大正7)年から1919(大正8)年]
舞台は、アメリカの農村地域ウィスコンシン州。
物語は、当時11歳の少年スターリングと、釣りに出かけた森の奥でのアライグマ親子との遭遇からはじまって...。
居合わせた猟師による母親のアライグマの射殺後、まだ目の開かぬ幼い子を連れ帰り、ラスカルと名付けて大切に育て上げることになるスターリングの成長が描かれており、中でも、ラスカルとのほのぼのとした友情物語は、当時の子どもたちを虜にするほど。
しかし、
ラスカルが成獣になるに伴い、可愛らしい程度のイタズラも過激化して、近所の畑の作物を喰い荒らすことの繰り返しで、農家からひどく憎まれることに。
さらに、母親の病死と父親の事業の失敗といった悲しい出来事を経て、進学のためのミルウォーキーの姉の家への引っ越しも決まって...。
スターリングは、人里へ二度と出られないよう猟師に狙われることのないよう、森の奥深くにラスカルを離して別れを告げた。
この物語は、人間と動物とのほのぼのとした友情物語と同じくらいに、人間と動物との共存の難しさも描いていて...。
アライグマは北アメリカ大陸原産。
当時の日本の親子の多くは、悲しいかな"難しさ"に関して深く認識することのないまま、風貌の可愛さと珍しさだけで、ペットとして輸入、手に入れることになってしまい...。
そして、手に負えない成獣となって飼えなくなるなり、かの"ラストシーン"をまねて、山や野に放してしまって、野生化。
多くの農作物への被害や、タヌキなどの既存の在来種である野生動物の生息を脅かす事態が相次ぐなど、大問題に。
現在も、多くの自治体で駆除活動が行われているという。
しかも、成獣のアライグマは頭脳明晰ゆえ、被害防止用の仕掛けも見破って突破するのことで、駆除以外に方法はないとのこと。
他には、出産・育児の時期の安全圏を得るための目的に、アライグマのメスまたは親子が、人間社会に接近することがあるらしく...。
いずれにせよ、実際に飼育する愛好家筋曰く、噛まれたり引っ掻かれたりといった怪我は日常茶飯事で、ネコ以上の力強さとのこと。
能年玲奈にとってのアライグマは、アニメや女の子の夢の中に出てきそうな、ぬいぐるみのようなマスコットなのかもしれない。
実在するアライグマに関して、いかなる意識なのかは知らないけど...。
とにかく、一番強く実感することは、
俳優として私生活としての松田龍平と、演じる役柄としての水口琢磨は、現在の能年玲奈と天野アキにとって、年齢差から考えて、良い意味でのつかず離れずの間柄になってゆくのかなあ。
ちなみに、水口琢磨は、かつて東京・原宿を拠点に、バースデイ・オブ・エレファントというロックバンドのベーシストとして活動しているところを、太巻から声をかけられたという設定。
なお、「ラスカル(=rascal)」とは、"やんちゃ坊"を意味するという。
ある意味、松田龍平にふさわしいかもしれない。
2013-06-13 |
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